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プロから盗むサウンド構築術 GUITAR SYSTEM NAVI. が発売になります! [楽器機材]

プロから盗むサウンド構築術 GUITAR SYSTEM NAVI. (シンコー・ミュージックMOOK) [ムック]が12月11日に発売されます。
この本の中で、CAJ(カスタム・オーディオ・ジャパン)のエンジニア、千葉さんとプロのシステム構築について対談させていただきました。普段、出てこない話もする事ができましたので、面白い内容になったと思います。アマチュアの方からプロの方まで、参考になる本だと思います。プロミュージシャンの機材紹介も多数掲載されています。是非、チェックしてみてください。


プロから盗むサウンド構築術 GUITAR SYSTEM NAVI. (シンコー・ミュージックMOOK)

プロから盗むサウンド構築術 GUITAR SYSTEM NAVI. (シンコー・ミュージックMOOK)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: シンコーミュージック
  • 発売日: 2013/12/11
  • メディア: ムック



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FREE THE TONE ARC-53M/Routing Controller開発秘話(1) [楽器機材]

ARC-53M-2.jpeg12月7日に発売予定のARC-53M/Routing Controllerの開発秘話をお届けいたします。

ARC-53Mは昨年12月に発売したARC-3の小型バージョンです。ARC-3には今まで培ってきたカスタム品のノウハウを惜しみなく注ぎ込み、発売以来、多くのユーザーの方に使っていただいています。今まで辛口だった現場のスタッフの方達からも、「全部の機能を使う事はないくらい盛り込みましたね〜」と言われるくらい、今まで現場で言われたご要望を詰め込みました(笑)。

ARC-3を発売した後、多くの方からご要望があったのがARC-3の小型バージョンです。小さなバージョンだからといって、コストダウンし音質を犠牲にすることなく、音質はそのままで小さいスイッチャーが欲しい、というのがご要望でした。 ARC-3を既に開発済みでしたので、機能を削って行けば小さく出来るだろうと簡単に考えていましたが、これが大間違いで、今までに無いくらい作り直しをする事になろうとは、開発当初は全く思っていませんでした(汗)。

何回かに渡って、開発秘話をお届けしようと思います。是非、お付き合いください!



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FREE THE TONE/PT-3D/DC POWER SUPPLY開発秘話 [楽器機材]

PT-3D-1.jpeg12月7日に発売予定のPT-3D/DC POWER SUPPLYの開発秘話をご紹介いたします。実は、この製品は8月に発売予定でしたが、様々な要因があって再設計する事になり発売が大きくズレてしまいました。

この製品開発が決まった発端は、PT-1Dでは対応できない、大電流を必要としているエフェクターへの対応でした。Free The ToneのWEBでもPT-1DはStrymon製品に対応していませんと、注意文を掲載させていただきましたが、多くの方がStrymon製品、またEVENTIDE製品やWhammy、Line6社の製品を使用されていますので、出来る限り多くの製品に対応しようと設計をスタートしました。

電流を多く消費するエフェクターに供給する電源は、グランド共通タイプでは対応が難しく、どうしてもノイズの問題を引き起こしてしまいます。グランドが完全に絶縁されたアイソレートタイプにする事が必要です。Pedal Power2などはトランスを使用し、電源のグランドをアイソレートしています。ところが、このタイプのトランスは日本で作ろうとすると、非常に高価で、また海外から輸入すると非常に重いため、想像以上に高価なものになってしまいます。10年以上前からリサーチしていますが、今回もコストの面からトランスを使用することは諦めました(苦笑)。

PT-3D-3.jpeg他社と異なる手法を取るのが好きな性格なので(笑)、熟考した結果、ボードに入れても出来る限り重くならない、軽く小さいパワーサプライを開発する事にしました。持ち運びを考え、ボードを小さく軽くしたい事を考えると、軽く小型にするにこした事はありません。重量目標は200g以下としました。PT-1Dでも使用していますが、航空機でも使用している軽量で強度の高い国産アルミニウム合金を使用する事で達成することが出来ました。

これまで多くのペダルボードを製作していますが、最近は大電流を必要とするエフェクターの台数がどんどん増えています。(*大電流と言っても立ち上がり時に必要なのが1から2アンペア程度なのですが、他のエフェクターと区別するために大電流と言う事にします)そのため、大電流に対応する対応する出力を2個は必要と判断しました。もちろん、この出力は消費電力が小さなエフェクターにも対応します。大電流出力は「ISOLATED OUTPUTS」と名付けました。出力電圧はDC9Vです。

PT-3D-2.jpeg全体の仕様としてはサイズや重量を考えDC9V出力を合計8個。このうち2個が大電流に対応する仕様で、残りの6個はPT-1Dで使用しているLOW NOISE STANDARD端子と同じ仕様としました。この6個のDC出力はグランドが共通ですが、スターグランド配線になっていて、ハムノイズが起こりにくい手法を取り入れています。出力の電圧は約DC9.8Vです。新品のバッテリーの電圧を参考にしています。

case.JPG8月に発売予定でしたが、どうして12月までかかってしまったかと言うと、小型化しすぎて温度上昇の問題が解決できなかったからです。最初はケースに全く放熱用の穴を開けていない状態でした。試作では、写真の様な穴空きケースを種々類製作し、実験を繰り返しながら出来る限り穴を小さくできるように工夫しました。穴が大き過ぎると、何年も経った後、ゴミが内部に入ってしまい汚くなってしまいます。

何度も何度もパーツの配置変更や基板のレイアウト変更を伴いましたが、ようやく設計目標をクリアし発売に漕ぎ着けました。

今回はDigiTech® WHAMMY DT™/WHAMMY 5™、Eventide® TIME FACTOR/MOD FACTOR/PITCH FACTOR /SPACE、LINE6 ® DL4™/MM4™/FM4™ 、Strymon® TIMELINE/MOBIUSに対応する事を目標としていましたので、各製品を取り扱う国内代理店様にコンタクトを取り、あくまでフリーザトーンの責任においてですが、対応の記載についてお願いをしました。その結果、快く皆様に許諾していただきました。この場をお借りして各社に御礼申し上げます。今回は本当に、各社ご担当者と連携が取れたのが嬉しかったです。

具体的な使用方法ですが、いくつかの製品にPT-3Dから電源を供給するには、専用のDCケーブルをご用意していただく必要がある物がございます。

DigiTech ® WHAMMY DT™/WHAMMY 5™
添付されたケーブルで御使用いただけます。

Eventide® TIME FACTOR/MOD FACTOR/PITCH FACTOR /SPACE
これらはセンター「マイナス」ではなくセンター「プラス」です。さらにジャックのピンの直径がφ2.5のタイプを使用していますので、φ2.5を使用し、さらに逆極性になるタイプの変換DCケーブルをご使用ください。

LINE6 ® DL4™/MM4™/FM4™
これらの製品に添付されているACアダプターはAC9Vタイプですが、DC9Vタイプの電源も使用できます。EVENTIDE製品用と同じ、φ2.5を使用し、さらに逆極性になるタイプの変換DCケーブルをご使用ください。

Strymon ® TIMELINE/MOBIUS
添付されたケーブルで御使用いただけます。

ユーザーの方がACアダプターの数を減らしたい、軽くしたいという願いは世界共通だと思います。PT-3Dが日本だけでなく世界の方々にもお役に立てればと願っています。

これで、PT-3D/DC POWER SUPPLY 開発秘話は終わりです。次回は、ARC-53Mの開発秘話をご紹介する予定です。お楽しみに!



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SUGIZOさんの最新ギターシステム紹介(9) 最終回 [楽器機材]

一年に渡ってご紹介してきた、SUGIZOさんのギターシステム紹介の最終回です。
今回は未紹介の部分について。

2012_11150147.JPGSUGIZOさんの立ち位置に置かれたボリュームペダルで、メイン出力、ディレイ出力、クランチ出力の3系統を同時に音量調整します。ボリュームペダルはARC-3に接続されEXP PEDALとして動作します。MIDI経由で2台のGVCA(VCA)がコントロールされます。一台はクランチ用。もう一台は、メインとディレイをコントロールします。詳細は拙著「ギタリストとベーシストのためのシステム構築マニュアル」P172,173をご覧下さい。

ラックタイプのiSP/DECIMATORはディストーションサウンド時に聞こえる「サー」というホワイトノイズも消したい場合に使用します。

2012_11150150.JPGWahはラックタイプの Dunlop/DCR-1SR、オクターブサウンドはEVENTIDE/ECLIPSを、ディレイ出力から出力されるメインのディレイサウンドはt.c.electronic/TC2290が使用されています。





2013_01130049.JPGEVH2台とVHTパワーアンプの出力はEVHのキャビネットにそれぞれ接続されていて、ステージに置かれた3台のキャビネットは全て使用されています。








2012_11150019.JPGこれはアンプラックの裏側の写真です。上部にジャンクションボックスが取り付けられていて、ギターの信号ラインとMIDI信号ラインの配線はここで一括して接続されます。







これでSUGIZOさんのギターシステムのご紹介は終わりです。
数ヶ月でご紹介を終える予定でしたが、ほぼ一年もかかってしまいました(汗)
皆様、おつきあい頂きありががとうございました。

今回のシステムを構築する際にチームアクティブの辻さんには、多大なご協力をいただきました。ありがとうございました。

そして最後になりましたが、システムの紹介を快く許諾していただいたSUGIZOさんに深く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。このシステムを構築することで、さらに前に進む事ができました。
また機会があれば、SUGIZOさんと新しいサウンド、システムに挑戦して、今まで無かった物を生み出して行きたいと思います。

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スピッツ横浜サンセット2013(機材紹介です) [楽器機材]

9月14日に赤レンガパークで行われた、スピッツのライブ機材をご紹介いたします。

この日のライブで演奏された曲は、今までに発表された14枚のアルバムからまんべんなくセレクトされていて、広いファン層に喜ばれたのではないかと思います。スピッツの曲は思い出となるような曲が多いですからね(笑)

tamura1.jpegベースの田村さんの機材からご紹介いたします。田村さんの立ち位置に置かれたボードです。MUTRON3やBASS BRASSMASTER、PEDAL FLANGERなど超レア機材が惜しみなく組み込まれています。エフェクターの信号ラインのコントロールは、ピートコーニッシュのペダルボードとフリーザトーン/ARC-3によって行っています。KEMPERも使用されており(ダイレクトにPAに送られる)、KEMPERのコントロールはARC-3とARC-3に接続されたコントロールチェンジナンバーを送る特注フットスイッチによって行っています。

tamura2.jpegステージにはsunnのアンプとKEMPER、D.I.がセットアップされていました。










tetsuya1.jpegこちらはテツヤさんの立ち位置に置かれたボード。今回新たに製作させて頂いた、赤いカスタムペダルボードがエフェクターの信号ラインの切替とステージサイドにセッティングされていたtc2290とKEMPERを同時にコントロールします。このペダルボードにはARC-3が組み込まれています。信号ラインはテツヤさんの仕様に合わせて新たに製作しました。アウトプットモニター用に右上にピークメーターも装備しました。


tetsuya2.jpegこちらは、テツヤさんの後方にセットアップされていたMarshallアンプと÷13アンプ。









masamune1.jpegボーカルのマサムネさんもフリーザトーン/ARC-3を使用しています。エフェクターの信号ラインコントロールとKEMPERのMIDIコントロールの他に、ギターのインプットセレクターとしても使用しています。






masamune3.jpegドラムセット前に置かれた、マサムネさんのギターアンプ。Laneyが使用されていました。









masamune2.jpegこちらは、マサムネさんの立ち位置に置かれたBOSSのFeedbacker/Booster。フィードバックサウンド用に用意されていました。

スピッツは、今年11月より全国ツアー「SPITZ JAMBOREE TOUR 2013-2014 “小さな生き物”」が行われます。全国ツアーも楽しみです。
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SUGIZOさんの最新ギターシステム紹介(8) MIXER UNIT [楽器機材]

前回からずいぶん時間が経ってしまいましたね(汗)セミナー開催時にも来場者の方に、「ブログ楽しみにしています!」と応援していただき、書かねば書かねばと思いつつ、日々の忙しさでブログから離れてしまいました。このままでは、本当に1年かかってしまいそうなので、ピッチを上げてSUGIZOさんの機材のご紹介をしようと思います。

2012_11150156.JPG
今回、ご紹介するのは、カスタムミキサーユニットとPMS-16U(ROUTING SYSTEM CONTROLLER)です。
SUGIZOさんに製作したミキサーユニットは、特殊な信号ラインを持っています。メインのEVHヘッドのセンドからの信号がミキサーに入ります。そして、その信号がミキサーユニットの中で2系統に別れます。これがメイン用の信号ラインとディレイサウンド用の信号ラインとなるわけです。それぞれの信号ラインにミキサー回路を用意し、メインのラインにはEVENTIDEのECLIPS、ディレイラインにはTC2290のエフェクト音がミックスできるようになっています。メインの信号ラインは、メインのEVHのリターンに戻り、ディレイの信号ラインはVHTのパワーアンプに信号が送られます。

EVENTIDEのECLIPSやTC2290へ送る信号は全てバランスです。バランスで信号を送ったり、戻したりする事でS/Nが良い力強いディレイサウンドを得る事が出来ます。
ミキサーユニットには、センドレベルとリターンレベルの調整ボリュームが付いていますので、簡単にディレイユニットに最適なレベルを送ったり、ディレイレベルの調整をしたりすることが出来ます。

各出力には、マスターレベル調整とブースト機能、さらに出力レベルを確認するためのレベルメーターを用意しました。耳だけでなく目でも信号を確認できるようになっています。

ミキサー内のドライ音のON/OFFやセンドリターン回路のON/OFFなどは全てPMS-16Uがコントロールしています。Free The Tone/ARC-3から送られて来たMIDI信号をPMS-16Uが受け取り、PMS-16Uの各ポートがON/OFFします。このON/OFF動作によってミキサー内の信号が制御されます。
ミキサー内にはデジタル回路が全く組み込まれておらず、光素子によってON/OFF状態が伝えられます。そしてそのON/OFF信号を利用してリレーを駆動し、実際に信号ラインが制御されます。
デジタル回路とアナログ回路を完全に分離しているため、グランドがデジタルラインによって荒れる事もありません。ピュアなギターサウンドを得る事ができるわけです。芯のあるサウンドを生み出す重要な要素の一つです。

次回はメインラックの未紹介部分を解説する予定です。
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DIR EN GREY 薫さんの機材をご紹介します [楽器機材]

DSC00003.JPG5/15 新木場STUDIO COAST で行われたDIR EN GREY「TOUR2013 TABULA RASA」で撮影させていただいた薫さんの機材写真をご紹介いたします。

最初の写真は薫さんの立ち位置にセットアップされたWhammy、ワウ、そしてフリーザトーンのARC-3です。このARC-3はリモート用SLAVEとして設定されています。


DSC00013.JPGステージ袖に置かれたペダルボード。weedモディファイのBOSS/GE-10やエレハモ/リングモジュレーター、Whammy、右上には少し見づらいですが、フリーザトーンのSignal Junction Box/JB-82、そしてARC-3が使用されています。ペダルボード内の配線にはフリーザトーンのソルダーレスケーブルが使用されています。

DSC00011.JPGペダルボードの右側に置かれたLINE6/POD X3 LIVE。ARC-3に接続されています。










DSC00016.JPG薫さんがメインで使用しているアンプはDIEZEL/VH4。上側がメインで下がサブです。








DSC00019.JPG薫さんはワイヤレスユニットを使用していません。フリーザトーンのCU-6550LNGの15mを使用しています。大事なケーブルは長持ちするように保護スリーブを付けて使用するそうです。製作したケーブルを大事に使って頂いているのは、設計者として非常にうれしいです。ただ、15mもあるので加工が大変だと聞きました。

DSC00009.JPGアコースティックギター用のボリュームペダルとAD-5。
アコースティックギターには、この他にLINE6のECHO PROも使用しているそうです。丁度、トレイの真下にマウントされていました。






DSC00007.JPGマイキングされたDiezelのキャビネット。会場の表で聞いているサウンドは、このキャビネットから出ている音になります。








DSC00024.JPG薫さんの立ち位置の丁度後ろに置かれた2台のキャビネット。

前回も同じ新木場スタジオーストで見させて頂きましたが、その時よりバンド全体のサウンドがより鮮明に聴こえ、映像とともに進化していました。ますます、今後のDIR EN GREYが楽しみです。

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一年間、たくさん製品化しました! [楽器機材]

季節が変わりようやく春がきました。今年の春も短いかもしれませんね。あっという間に暑い夏が来そうです。
4月に入って、この一年を少し振り返ってみました。

独立して、フリーザトーンとして動き出したのが2011年7月。2011年12月下旬に現在の場所に引っ越しをして、2012年1月から4月にかけて、UVERworldの信人さんのベースシステムSIDのShinjiさんのギターシステムを製作しました。 夏から秋にかけては布袋さんのペダルボードSUGIZOさんのカスタムシステムを製作。日本以外で使用される場合も想定したシステム製作を行いました。

その間、生産中止にしていたフリーザトーンカスタムエフェクターのリニューアルに取り組みます。

OVERDRIVE/SOV-2
FINAL BOOSTER/FB-2
QUAD-ARROW DISTORTION/QA-2
BASS BLASTER/BB-2
HEAT BLASTER/HB-2

このラインナップは全て一台一台、私と、フリーザトーンもう一人の技術者/佐藤の手によってダブルチェックを行っています。一台一台、音出しを行い、何かが変だと感じたら、その個体は出荷しません。再度、原因を調べ、修正した上で出荷します。これがカスタムラインナップと言われる所以です。古くから製品に対して、この個体はアタリだ、この個体はハズレだ、と言われていますし体験もしてきました。少しでも当たり外れがないように、高いクオリティーを維持するように努めています。問題は、一台一台製作するのにかなりの時間を要する事です。そのため、いろいろな販売店の方に扱って頂きたいと思っているのですが、現状は難しい状況です。良い方法を考え、もう少し多くの方に使っていただけるように、改善策を考えたいと思っています。

そして、プロミュージシャンの方だけに限定製作していた
SILKY COMP
協力していただいた会社のおかげで新しいフリーザトーンカスタムのラインナップとして製品化する事ができました。

そして、フリーザトーンブランド初の一般向けに設計したエフェクターが、
GIGS BOSON
IRON FOREST
の2機種。特にGIGS BOSONは、国内では布袋さん、SUGIZOさん、ポルノグラフィティ/新藤さん、SID/Shinjiさんなど多くのミュージシャンにもご使用いただいて評価していただきました。

シグネチャーモデルにも取り組みました。
国内アーティストでは、奥田民生さんのシグネチャーモデルOT DRIVE
海外アーティストでは、Matt SchofieldシグネチャーモデルMS SOV SPECIAL

あこがれのアーティストと同じサウンドを出したい、同じモデルを入手したいと言う気持ちは、私も同様に持っています。同じ物を同クオリティーで製作することは、1台最高の物を作る事より難しい技術だと私は思っていますが、生産した全てに対して、厳しい目を持つ事でクリア出来たと自負しております。今年3月末、無事にOT DRIVE全ての生産が完了し、皆様のお手元に届ける事ができました。OT DRIVEは限定100台生産ということで、奥田民生氏にシリアルナンバー1をお届けし、シリアル2番から101番までを一般の方に製作いたしました。

Matt Schofieldシグネチャーモデルは、初の海外アーティストとのコラボレーションという事で、時間はかかりましたが、納得できる物を製作することができました。このモデルを設計している時、本当に心が落ち着いていて、感覚が研ぎすまされていたのを覚えています。一年のうち数回しか来ないのですが(苦笑)、凄いタイミングでこの時が来ました。その感覚で製作した製品は、国内外問わずミュージシャンには伝わるんですね。本当に良い経験になりました。このモデルは2013年12月末まで生産される期間限定品です。

そして、フリーザトーンの名前が広まったのは、おそらくソルダーレスケーブルがきっかけだったと思います。
ニッケルタイプのストレート ソルダーレスプラグ SL-8S
ニッケルタイプのLアングル ソルダーレスプラグ SL-8L
ゴールドタイプのストレート ソルダーレスプラグ SL-8SPro
ゴールドタイプのLアングル ソルダーレスプラグ SL-8LPro
専用のソルダーレスケーブル CU-416

それぞれ、キット化する事で、一般の方が購入しやすくなったと思います。独自の段ボール製パッケージも非常に好評です。

そして、プロミュージシャン専用にカスタムで製作してもらっていたCU-6550ケーブルを一般的に発売できるようにメーカさんと協力し、発売までこぎ着けました。生まれたのが、
CU-6550LNG
CU-6550STD
の2種類です。LNGはLONGの略でプラグが長く、ストラトタイプの舟形ジャックに挿した場合でも、抜き差ししやすい構造です。
STDはStandardの略で、標準タイプのプラグを使用しています。
それぞれ、ストレートタイプとLアングルタイプを新規に設計しました。プロミュージシャンに提供していたクオリティーをそのまま維持するために、私ともう一人の技術/佐藤、そしてケーブルメーカーの超ベテラン1名の合計3名だけが、このケーブルを作製しています。おそらく誰が作製しているのか、分かるブランドは、そうないのではないでしょうか。

ソルダーレスケーブルを発売していましたが、誰もが使用するわけではありません。ハンダ付けしたタイプを愛用されている方も多くいらっしゃいます。エフェクターとエフェクターを接続する為に、使用しやすく、断線しにくく、また配線が美しく見えるリンク専用ケーブルを作りたいと考えました。断線に至るメカニズムを解析し、これまでに無かった新しいプラグを開発しました。そうやって生まれたのが、
CU-5050
です。

CU-6550CU-5050ともに環境を考慮し、パッケージには段ボールタイプの外装箱、ハンダには無鉛ハンダを使用しRoHS対応となっています。

私のライフワークになっているルーティング(スイッチング)関連製品は、大きな第一歩を踏み出せた年となりました。ARC-3 Audio Routing Controllerの発売がそれにあたります。今まで私にとってもMIDIの設定は、本当にわずらわしいものでした。一般的に販売されている製品では、すぐに設定を確認したくても、何階層も入っていかないとどうなっているのか確認できません。初めてRocktronのブラッドショウシステムRSB-18R&Fに出会ってから24年もかかりましたが(笑)、ようやく頭に思い描いていた第一歩を踏み出せたと思います。まだまだ進歩して行けると思いますので、これに満足せずチャレンジして行きます。

ARC-3の周辺機器として、ARC-3同士をリンクさせるリンクケーブルも準備しました。また、要望がそれほど多くないのでは?と思っていた、Signal Junction BoxのJB-41とJB-82。プロミュージシャンに製作したカスタム品として一番多く製作したのが、このシグナル・ジャンクション・ボックスなのですが、一般的にはそれほど認知されていないと思い、必要とされている方だけに製作しようと受注生産の形で発売しました。ところが考えが甘く、皆さんしっかりチェックされていて、シグナル・ジャンクション・ボックスを使う利点をしっかり理解されいるんですね。現在、お待ちいただいている方には、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

そして、最後に今月2日に発売されたのは、ACパワーディストリビューターPT-1D&PT-2の2機種です。
この製品は本当に難産でした。一度、PSEの申請が通らず、いったん諦めかけた製品でもありましたが、気持ちを切り替えて再トライし、ようやく発売することが出来ました。ハイカレント出力はMAX300mAで、EventideのTime FactorやMod Factor、StrymonのTime LineやMOBIUSには対応していませんが、100mAでは対応できないBOSS Twin Pedalシリーズや、100mAでは余裕が少ないHARDWIREシリーズのリバーブやディレイ、そしてフリーザトーン製のSOV-2/OVERDRIVEなどが余裕を持って使用することができます。

更に理想を目指して、製品作りに没頭しようと思います。頭の中には、多くの製品が発売はまだかまだかと待ち構えています(笑)
皆様、今年度もよろしくお願いいたします!





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SUGIZOさんの最新ギターシステム紹介(4) INPUTセクション [楽器機材]

今回は、SUGIZOさんの最新ギターシステム紹介(4) INPUTセクションです。

プラグ.JPGとにかく重要なのがインプットセクション。ここが駄目だと、後で補正したくても無理が出てきます。
ギター本体のジャックに接続されているのは、フリーザトーンで独自に開発したプラグとケーブル。プラグは、CU-6550LNGに使用されているプラグです。ケーブルは、ソルダーレスケーブルCU-416を使用しています。ワイヤレス用ケーブルに、この組み合わせを使用することで、サウンドクオリティーがかなり上がります。とにかく良いサウンドにするには、ギターに近い場所からスタートしなければなりません。






2012_11150162.JPGワイヤレスの受信機はSHURE製。
合計4チャンネル分が用意されています。
すぐ下にあるのが、カスタムで製作したインプットセレクターです。ワイヤレスレシーバーからの出力を1つ選択し、エフェクターセクションに信号を送ります。4つの入力がありますが、それぞれの入力はバランス入力になっていて、インプットレベルを調整することができます。トランスミッターやレシーバーでもレベル調整をする事ができますが、トランスミッターを複数のギターに兼用する際には、このレベル調整が重宝します。また、簡単にギターの出力レベルを変化させたときのサウンドの変化を確認する事ができます。
各インプットのレベル調整ボリュームの右隣には、トグルスイッチがあります。このスイッチは、各インプットのON/OFF/SELの3つの選択を行います。ONにする事で、各入力のミックスをする事もできます。SELに設定しておくと、右側のセレクトスイッチで入力をワンタッチで選択することができます。曲間のギターチェンジは素早く行う必要があります。選択したいインプット番号のプッシュスイッチを押すだけで、そのインプットが選択され、今まで選択されていたインプットが解除(OFF)されます。
また、このインプットセレクターには、D.I. アウトやチューナーアウトも装備しました。考え得るフル装備です!

インプットセレクターの下にあるのがPMS-16U、MIDIで制御するために使用するコントローラーです。ARC-3から送られてきた、MIDIプログラムチェンジナンバーを受け取り、その番号に記憶されたプリセットが呼び出されます。そのプリセットにストアされたエフェクトループのON/OFFやアウトプットのON/OFF情報が呼び出されます。このPMS-16Uのコントロール信号は、メインラックの左隣に設置されているペダルエフェクターが載ったボードに接続されます。このPMS-16Uがアンプの手前に接続されているエフェクターすべてのON/OFFをコントロールします。また、各アンプに出力するラインも同時にコントロールします。

次回は、PMS-16Uでコントロールされるエフェクターセクションについてご紹介いたします!



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SUGIZOさんの最新ギターシステム紹介(3) [楽器機材]

SUGIZO and HAYASHI.jpgSUGIZOさんのシステム全体の構想は、なかなか頭の中でまとまりませんでした。複雑に配線し機材を増やせば、機材の組み合わせが簡単にできるようになり、信号の流れとしては完成するのですが、機材を増やせばシステムが巨大化し、音質劣化を防ぐ為の回路もどんどん増えることになってしまいます。最初のプランは非常に大きなシステムで改善が必要でした。

何度もSUGIZOさんのギターテックをしている辻さんと打ち合わせを行い、あーでもないこーでもないと何通りもプランを出し、検討しながらアイデアをまとめて行きました。その中で一番画期的なアイデアが、写真のエフェクターが載ったボードです。

DSC07603.JPGもともとラック内に引き出しを用意し、その中にペダルエフェクターを入れる予定で、更にエフェクターをつなぎ込むセンドリターンユニットも、ラックユニットにしてラックマウントする予定でした。それだけで10U~12Uのスペースが必要になります。とても小型化できる仕様ではありません。

そこで写真のようにペダルボード上にセンドリターンユニットを載せ、その上にエフェクターを配置する構造にしました。つなぎ込む直列のループ数は12個で、設置する際はアンプラックの上部に置かれます。

またアンプへ分岐するアウトプットセレクターユニットもラックマウントする予定でしたが、このユニット内部に4出力のアウトプットセレクターを組み込みました。こうする事で、電源を含めると通常は13U~15U位必要なラックスペースを、このボード内に組み込む事ができました。

このサイズに納める為に、エフェクター用センドリターン回路は新たに設計し、小型化を行いました。もちろん小型化する事による音質の妥協は無しです。

このセンド&リターンユニットは、各ループにセンドレベルとリターンレベルを調整する機能が付いています。エフェクターとギターやアンプとの相性は、レベルによる相性がかなりあります。レベルを微調整することで、エフェクターに対してベストなレベルで信号を送り出す事ができます。また、レベル調整によってS/Nを良くすることも出来ます。一般的にスイッチングシステムは、ユニティーゲインでエフェクターをオン/オフするものが多いのですが、今回は完全特注システムですので、全てのループにレベル調整が出来きるようにセンドとリターンの調整のノブを付けました。
また、このユニットの特筆する事項として、全てのセンド出力とリターン入力はバランスタイプになっています。アンバランスタイプのエフェクターであっても、バランスタイプのエフェクターであっても使用する事ができます。また、インストレベル、ラインレベル、両方に対応しています。言い換えると、市販されている全てのエフェクターに対応しているとも言えます。永くご使用頂く為に、設計段階から、さまざまな機材に対応できるための回路設計を行いました。

写真を見ただけでは分かりにくいかもしれませんが、実はこのボードがSUGIZOさんのシステムの核となっています。ボードの左側には、カスタムで製作した電源ユニットを配置しました。各フェクターに最適な電源を供給しています。この電源ユニットによってノイズレベルが低減し、サウンドも向上しています。

先日、リットーミュージックから発売になりました、拙著「ギタリストとベーシストのためのシステム構築マニュアル」を持ちの方は、172ページをご覧ください。SUGIZOさんのシステムの配線図が載っています。「CUSTOM 12 LOOPS and 4 OUTPUTS UNIT」と書いていある部分が、エフェクターの下に配置されたユニットになります。是非、参照してみてください。

次回は、インプットセクションについてご紹介する予定です。
つづく


ギタリストとベーシストのためのシステム構築マニュアル

ギタリストとベーシストのためのシステム構築マニュアル

  • 作者: 林 幸宏
  • 出版社/メーカー: リットーミュージック
  • 発売日: 2013/01/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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