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イギリス滞在記(8) [音楽]

8月20日(火)

今日は朝からPMS-16U(MIDIルーティングコントローラー)とALL ACCESS MIDI PEDALの動作チェックを行なった。昨日の続きだ。
ALL ACCESSの動きで分からない部分があったので、ピートが持っているMIDIペダル(MIDI MITIGATOR/RFC-1)を使用して再チェックした。これはルー・リードがもっているものと同じ物である。これもまた改造してあって、新規に作った電源、コネクターもケーブルも全て信頼性のあるものに変えてあった。プログラムするのに時間がかかったが、なんとか動作させられた。SUTUDIO MASTERのMIDIチェッカーを間に通してチェックしたので、非常に効率がよかった。動作が問題ないことを確認し、再度ALL ACCESSにもどした。このMIDIペダルには、コントロールナンバーチェンジ用スイッチのON/OFF状態を、各プログラムナンバーにプリセットさせる機能があった。これだ!PMS-16Uのプログラムの状態と、スイッチの状態が一致するようにあらかじめプリセットして問題が解決した。ふーっと。

フットスイッチの話になった。現在ARROW製のフットスイッチを使用しているが、これはもう手に入らないそうだ。最後のロットの1300個を全部購入したそうなのだが、もうすでに100個も手元にないそうだ。新しく探しているらしいが、今のところ見つからないとのこと。貴重品である。まず壊れないと言っていた。このメーカーは、元々、飛行機関係のパーツを作っていて、非常に信頼性のあるものを作っていたとのこと。同じタイプでモーメンタリータイプもあったらしいが、すでにディスコンとのこと。非常に残念!他に手に入らないとなると困ったことになる。

そういえば、P-2ファズ等のボリュームもアメリカから入手しているらしい。現在、ボリュームはCTS社のものがメインで、入手できないものはBOURNSのボリューム(プラスチックコンダクタのもの)を使用しているので回したときのフィーリングが変わる。
(ピートは、その時その時で、できる限りベストと思われるパーツを入手し、テストしてから使用します。そのため時代によって、使用するパーツが異なる場合があるとのことでした。)

今日は、例のアレンビックプリアンプの修理を午前中に始めた。RSから届いたポリプロピレンの220pのコンデンサを両チャンネルとも入れ替え、ボリュームを回した時のdc(直流)によるノイズが出なくなることを確認した。また、ぼそぼそノイズも一日置いたままにして、出ないことも確認した。ピートは、コンデンサを交換したあと、再度トーンの効き方を耳で確認し、時々音を出してチェックしていた。何度もチェックすることが大事だと言っていた。夕方過ぎ、蓋を閉めてチェックしようということになって、天板を閉めて、また再度チェックした。チェックには、トランジスタのパワーアンプであったが、すばらしい音がしていた。ピートいわく、「プリアンプが非常によければフラットなパワーアンプであれば、いい音がするよ!」
ようやく、修理も完了した。リンダが言っていたが、改造するともちろん製造メーカーの保証が得られなくなるので、改造する際には必ず顧客に了承を得ているそうだ。

ピートがフェンダーアンプの話をしてくれた。「ぼそぼそノイズは、古いフェンダーアンプではよく出るが、なぜか知っているか?」と聞かれた。知らないと答えると、原因は今回のようなコンデンサのリーケージがほとんどだが(今回のリーケージは、0.01V前後の微妙な値)、昔のフェンダーはファイバーボードを使用しているために、そのコンダクタンスで電圧がボードに出てくるんだ。と解説してくれた。サウンドシティー時代に何十台もフェンダーのアンプを直したことがあるそうだ。ボードにテスターをつなぎ、シャーシ間の電圧をみると5Vくらい出ていることもあったらしい。これが、グリッドやインピーダンスが高いところで、発生しているとノイズが出るとのことだ。これを直すには、パーツをボードから浮かして配線するしかないとのこと。

それから、TC.ELECTRONICの話になった。以前、2人の兄弟がTCを立ち上げたころ、工場見学に行ったそうだ。その当時のTCはすばらしく、すべてピートの商品と同じよう手で穴を開け、手半田して作っていたそうだ。見事に美しくすばらしかったといっていた。その後TC2290を発売するというので、展示会に行ったそうだ。
TC2290の話題では、ステレオエフェクトのディレイの位相が180度違うためモノミックスしたときに、ディレイ音が消えてしまったというという話を教えてくれた。これはピンクフロイドのツアーで起こった話らしいが、舞台では、ディレイ音が聞こえる。ところがレコーディングしているミキサーの所では、ディレイ音がほとんど聞こえなくなっているという状況だったらしい。すぐにピートのところに連絡があって、原因を探ったところ、逆相だったということだ。これをすぐにTCに連絡したら、彼らはそれをすでに知っていて、このスイッチを押せばそれを解決できるよと言われたそうだ。たしかにこの現象は経験がある。しかし、どのスイッチを押したら解決できるのか、ピートも忘れてしまっていた(笑)

夕方からSOFT SUSTAIN-2とP-2 FUZZの製作を手伝った。ピートは自分でちゃんと穴をあけて、やすりで削って作っていた。「全部手で作っていると言っても人は信じてくれないのだよなぁ」とぼやきながら作業していた。皿ネジの取り付け部の穴あけは、いちいちネジをはめながら深さを見ながらドリルで削っていた。このドリルも自分でネジにあうように角度をあわせて作ったそうだ。グラインダーは必需品のようだ。
バリ取りとリベット打ちは、教わって自分がやった。そのあと、内部をハケで綺麗にし、パーツ付けと半田付け作業に入った。ピートは、電池ホルダーを除く全てのパーツを最初に取り付けた。その後、つまみを取り付けた。その後、アウトプットジャックを配線。次にインプット側をソリッドワイヤでシャーシとジャックを半田つけした。その後、ボリュームの配線。コンデンサをつなぎ配線した。ピートいわく、フェイズシフトをしないようにギターのトーンコントロールと同じように、ハイカットの単純なトーンコントロールにしたとのこと。配線や半田付けのチェックを、その都度やってもらっているが、今日はパーフェクト!といわれたので、すごく気分がよかった。ピートに誉められると非常にうれしい!

ピートにもう一つ、ピンクフロイドの話を聞いた。ロージャーが抜けて変わりのベーシストが加入したときに、ツアーでショウをやるたびにスピーカーが飛んでいたそうだ。ハートキーのベースアンプを使っていたらしいが、歪ませて使ったりしていたらしい。歪ませて2つの音を同時にだすと、ベースの場合は、数ヘルツの音が発生する。2つの周波数をあわせるとビートが発生するのと同じ原理だ。この低周波の発生でスピーカーが飛んでいたらしい。ピートは20Hzのハイパスフィルターを入れてこれを対処したそうだ。

そういえば、プロフェショナルな仕事をするならば、やはりマーシャルをならせる位の場所がないとだめだと言われた。それは良くわかるが、すぐにそういう状況を作れるわけはない。つらいところである。田舎に行けばいいのかもしれないが・・・。うーん、悩むところだ。

今日は、いろいろ話したなぁ。覚えきれないくらいだ。

そういえばオアシスのノエルギャラガーがピートの工房に来たときの話になって、リンダが言っていたが、ミュージシャンにシステムを製作するときは、使いやすく単純なほうが絶対に良いというのが常であり、そうするべきだと話していた。それに関しては、まったく異論はない。

そういえば、キャスパー(ピートの次男でプロのバレエダンサー)が舞台に招待してくれるそうだ。バックステージにも案内してくれるそうだ。楽しみ!キャスパーは今年で28歳だそうだ。まだ若い!
ピートは自分のお父さんとお母さんの写真も見せてくれた。お父さんはいくつもバンドをやっていたマルチプレイヤーだったそうだ。バイオリンから管楽器からなんでもこなせる人だったそうだ。やはり音楽の血が流れてるんだ!
今日も内容の濃い一日だった。

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イギリスで住んでいた家とレンタルで借りていた車



8月21日(水)

今日は朝から体がだるかった。ちと疲れがたまってきたか???今日は、出勤の途中で遅い車が前をずっと走っていたので、初めての追い越しを試みた。途中までは良かったが、対抗斜線でも追い越しをしようとしている車がいて、びびった。もう、追い越しはやめよう。

今日は、PMS用のルーティングユニットの製作に入った。まず3出力のマスターアウトのレベルを調整するために使うアッテネーターの製作だ。細かい作業で半田付けにてこづった。1回路できたとことろで、ピートが回路をチェックし始めた。まずレベルメーターで正確に3dBダウンするかどうかを確認。その後、ギターからの音を入れてチェック。切り替え時にポップノイズが出るので、おかしいと言い出して、これと同じモノを何回も作っているが、ノイズはでなかったのに。といっていた。このままでは駄目だということで、接点構造がMBB(Make Before Brake : 一方の接点を離す前に、もう一方の接点に接続する方式)のタイプを再度注文して明日製作することになった。また2dBステップのタイプと比較したが、ピートは3dBくらい上げないと、ステージでは音量が上がったようには感じないよ、といって3dBタイプをすすめられた。2dBステップだと確かに微調整という感じである。

今日は、ポールマッカートニーのラックを事務所の人が取りにきてくれた。トラックの中央に前後と上下方向から縛って、揺れないようにしていた。ブギーのパワーアンプもメンテして欲しいと置いていった。
今日は、二人とも疲れていたので、早く帰った。

そういえば、P-2FUZZとG-2FUZZの名前の由来を聞いた。G-2ファズは、そのままゲルマニウムファズの頭文字のGだそうだ。Pはというと、PRESISION(正確、精密)FUZZと呼んでいたところから来たらしい。付け加えて、ギルモアは、バンドとしてアンサンブルの中に入ってプレイするときは、G-2 FUZZを使うそうだ。P-2 FUZZだと音にパワーがありすぎて、他の楽器の邪魔になってしまうからだそうだ。ソロ活動とかは、P-2を多様するらしい。というように使い分けているそうだ。

(つづく)
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