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一年間、たくさん製品化しました! [楽器機材]

季節が変わりようやく春がきました。今年の春も短いかもしれませんね。あっという間に暑い夏が来そうです。
4月に入って、この一年を少し振り返ってみました。

独立して、フリーザトーンとして動き出したのが2011年7月。2011年12月下旬に現在の場所に引っ越しをして、2012年1月から4月にかけて、UVERworldの信人さんのベースシステムSIDのShinjiさんのギターシステムを製作しました。 夏から秋にかけては布袋さんのペダルボードSUGIZOさんのカスタムシステムを製作。日本以外で使用される場合も想定したシステム製作を行いました。

その間、生産中止にしていたフリーザトーンカスタムエフェクターのリニューアルに取り組みます。

OVERDRIVE/SOV-2
FINAL BOOSTER/FB-2
QUAD-ARROW DISTORTION/QA-2
BASS BLASTER/BB-2
HEAT BLASTER/HB-2

このラインナップは全て一台一台、私と、フリーザトーンもう一人の技術者/佐藤の手によってダブルチェックを行っています。一台一台、音出しを行い、何かが変だと感じたら、その個体は出荷しません。再度、原因を調べ、修正した上で出荷します。これがカスタムラインナップと言われる所以です。古くから製品に対して、この個体はアタリだ、この個体はハズレだ、と言われていますし体験もしてきました。少しでも当たり外れがないように、高いクオリティーを維持するように努めています。問題は、一台一台製作するのにかなりの時間を要する事です。そのため、いろいろな販売店の方に扱って頂きたいと思っているのですが、現状は難しい状況です。良い方法を考え、もう少し多くの方に使っていただけるように、改善策を考えたいと思っています。

そして、プロミュージシャンの方だけに限定製作していた
SILKY COMP
協力していただいた会社のおかげで新しいフリーザトーンカスタムのラインナップとして製品化する事ができました。

そして、フリーザトーンブランド初の一般向けに設計したエフェクターが、
GIGS BOSON
IRON FOREST
の2機種。特にGIGS BOSONは、国内では布袋さん、SUGIZOさん、ポルノグラフィティ/新藤さん、SID/Shinjiさんなど多くのミュージシャンにもご使用いただいて評価していただきました。

シグネチャーモデルにも取り組みました。
国内アーティストでは、奥田民生さんのシグネチャーモデルOT DRIVE
海外アーティストでは、Matt SchofieldシグネチャーモデルMS SOV SPECIAL

あこがれのアーティストと同じサウンドを出したい、同じモデルを入手したいと言う気持ちは、私も同様に持っています。同じ物を同クオリティーで製作することは、1台最高の物を作る事より難しい技術だと私は思っていますが、生産した全てに対して、厳しい目を持つ事でクリア出来たと自負しております。今年3月末、無事にOT DRIVE全ての生産が完了し、皆様のお手元に届ける事ができました。OT DRIVEは限定100台生産ということで、奥田民生氏にシリアルナンバー1をお届けし、シリアル2番から101番までを一般の方に製作いたしました。

Matt Schofieldシグネチャーモデルは、初の海外アーティストとのコラボレーションという事で、時間はかかりましたが、納得できる物を製作することができました。このモデルを設計している時、本当に心が落ち着いていて、感覚が研ぎすまされていたのを覚えています。一年のうち数回しか来ないのですが(苦笑)、凄いタイミングでこの時が来ました。その感覚で製作した製品は、国内外問わずミュージシャンには伝わるんですね。本当に良い経験になりました。このモデルは2013年12月末まで生産される期間限定品です。

そして、フリーザトーンの名前が広まったのは、おそらくソルダーレスケーブルがきっかけだったと思います。
ニッケルタイプのストレート ソルダーレスプラグ SL-8S
ニッケルタイプのLアングル ソルダーレスプラグ SL-8L
ゴールドタイプのストレート ソルダーレスプラグ SL-8SPro
ゴールドタイプのLアングル ソルダーレスプラグ SL-8LPro
専用のソルダーレスケーブル CU-416

それぞれ、キット化する事で、一般の方が購入しやすくなったと思います。独自の段ボール製パッケージも非常に好評です。

そして、プロミュージシャン専用にカスタムで製作してもらっていたCU-6550ケーブルを一般的に発売できるようにメーカさんと協力し、発売までこぎ着けました。生まれたのが、
CU-6550LNG
CU-6550STD
の2種類です。LNGはLONGの略でプラグが長く、ストラトタイプの舟形ジャックに挿した場合でも、抜き差ししやすい構造です。
STDはStandardの略で、標準タイプのプラグを使用しています。
それぞれ、ストレートタイプとLアングルタイプを新規に設計しました。プロミュージシャンに提供していたクオリティーをそのまま維持するために、私ともう一人の技術/佐藤、そしてケーブルメーカーの超ベテラン1名の合計3名だけが、このケーブルを作製しています。おそらく誰が作製しているのか、分かるブランドは、そうないのではないでしょうか。

ソルダーレスケーブルを発売していましたが、誰もが使用するわけではありません。ハンダ付けしたタイプを愛用されている方も多くいらっしゃいます。エフェクターとエフェクターを接続する為に、使用しやすく、断線しにくく、また配線が美しく見えるリンク専用ケーブルを作りたいと考えました。断線に至るメカニズムを解析し、これまでに無かった新しいプラグを開発しました。そうやって生まれたのが、
CU-5050
です。

CU-6550CU-5050ともに環境を考慮し、パッケージには段ボールタイプの外装箱、ハンダには無鉛ハンダを使用しRoHS対応となっています。

私のライフワークになっているルーティング(スイッチング)関連製品は、大きな第一歩を踏み出せた年となりました。ARC-3 Audio Routing Controllerの発売がそれにあたります。今まで私にとってもMIDIの設定は、本当にわずらわしいものでした。一般的に販売されている製品では、すぐに設定を確認したくても、何階層も入っていかないとどうなっているのか確認できません。初めてRocktronのブラッドショウシステムRSB-18R&Fに出会ってから24年もかかりましたが(笑)、ようやく頭に思い描いていた第一歩を踏み出せたと思います。まだまだ進歩して行けると思いますので、これに満足せずチャレンジして行きます。

ARC-3の周辺機器として、ARC-3同士をリンクさせるリンクケーブルも準備しました。また、要望がそれほど多くないのでは?と思っていた、Signal Junction BoxのJB-41とJB-82。プロミュージシャンに製作したカスタム品として一番多く製作したのが、このシグナル・ジャンクション・ボックスなのですが、一般的にはそれほど認知されていないと思い、必要とされている方だけに製作しようと受注生産の形で発売しました。ところが考えが甘く、皆さんしっかりチェックされていて、シグナル・ジャンクション・ボックスを使う利点をしっかり理解されいるんですね。現在、お待ちいただいている方には、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

そして、最後に今月2日に発売されたのは、ACパワーディストリビューターPT-1D&PT-2の2機種です。
この製品は本当に難産でした。一度、PSEの申請が通らず、いったん諦めかけた製品でもありましたが、気持ちを切り替えて再トライし、ようやく発売することが出来ました。ハイカレント出力はMAX300mAで、EventideのTime FactorやMod Factor、StrymonのTime LineやMOBIUSには対応していませんが、100mAでは対応できないBOSS Twin Pedalシリーズや、100mAでは余裕が少ないHARDWIREシリーズのリバーブやディレイ、そしてフリーザトーン製のSOV-2/OVERDRIVEなどが余裕を持って使用することができます。

更に理想を目指して、製品作りに没頭しようと思います。頭の中には、多くの製品が発売はまだかまだかと待ち構えています(笑)
皆様、今年度もよろしくお願いいたします!





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Tak

ACパワーディストリビューターPT-1D購入いたしました。

今まで唯一頭を痛めていた電源供給部分周りがすっきりしてボード内でスペースが作れた事、ノイズの心配が減ったので本当に良い商品だと思います。

ただ、唯一欠点ってほどではないですが、以前林さんがプロビデンス時代に作っていたprovolt9やバッテリーエミュレーターのように9.6Vを供給したいエフェクターがオーバードライブ等一部あるので、今回の9V電源供給部はノーノイズでダイナミクス系供給部分とデジタル系に供給?部分と分かれているのはずばらしいですが、あの9.6Vか9.0Vの差はどうしても大きいので、そこも一気に供給できば120点の商品かなぁ・・というのは贅沢かもしれませんね^^

とりあえずはコンセント部分にバッテリーエミュレータをさして供給して事なきを得ていますので、問題はありません

今後free the toneからどんな素敵な商品が出るのか本当に楽しみです。
by Tak (2013-04-08 00:52) 

林 幸宏

Takさんへ

PT-1Dをご購入いただきありがとうございます。
PT-1DのLow Noise Standardはエフェクターをつないでいない時、9.8〜9.9V出力され、オーバードライブやコンプ、ブースターなどのエフェクターを接続すると、9.6V前後を供給します。Provolt9より進化したフィルタリングを行っていますので、さらに新品のバッテリーに近いサウンドを得る事ができます。どんどん進化していますので(笑)

これからもよろしくお願いいたします。
by 林 幸宏 (2013-04-14 15:33) 

YOK

ARC-3の購入を検討中です。
パワーサプライ、難産だったんですね。
PSE法あんな悪法は即刻廃止にするべきです。
施行後、多くの海外メーカーのパワーサプライが入ってこなくなり、電源供給に頭を悩ましました。
ACパワーディストリビューターPT-1D&PT-2があるからフロアボード周辺はいいですが、ラック系の電源周りは厄介です。

今後とも良い製品開発お願いします、応援しています!
by YOK (2013-04-19 23:11) 

Tak

そうなんですね(笑)
失礼しました。
これで安心して全台にPT-1Dから電源供給できます。

今後の商品開発の希望としましてISPのDECEMETERはかなりクオリティーの高いノイズリダクションですが、何か更に一段上の究極のノイズリダクションが林さんの製作品から出たらきっと買います^^

これからも期待しております!


by Tak (2013-04-20 00:48) 

林 幸宏

YOKさん コメントありがとうございます。これからも頑張ります!
by 林 幸宏 (2013-04-29 21:47) 

林 幸宏

Takさん ノイズリダクションですね。構想には無かった製品なのですが、どこかでチャレンジする機会があるかもしれませんねw
これからもよろしくお願い致します!
by 林 幸宏 (2013-04-29 21:49) 

ochan

林代表様

OT DRIVEの情報をチェックモレしていて、買い逃してしまいました。欲しい方沢山いると思いますのでぜひ再販お願いします。
by ochan (2013-06-03 19:01) 

林 幸宏

ochanさん
コメントありがとうございます。多くの方から、再販希望のコメントいただいていますが、奥田さんとの約束で限定した数のみの発売とさせていただきました。ご理解いただけると幸いです。
多くの再販要望がある事は、奥田さんへ伝えさせていただきます。何かしら良いアイデアを頂けるかもしれませんので。


by 林 幸宏 (2013-06-23 13:09) 

ochan

林代表様
ご返信ありがとうございました。僕のOTスペシャル(民生モデルS/NO.013)が吉報を待っています!
by ochan (2013-06-24 20:12) 

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