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Shinjiさんのギターシステム完成! [楽器機材]

SIDのギタリストShinjiさんのギターシステムが完成しました。詳細にご紹介したいと思います。

system.JPGシステムの全景です。Shinjiさんの立ち位置はステージ上手になります。上手側からギターの受け渡しや機器の操作がし易いように、ラックのレイアウトや機能の配置を決めています。左側がアンプラック。右側がメインラックです。





main rack.JPGラックの右側には、ワイヤレスユニットやインプットセレクター、S.O.Sユニット(サウンド・オン・サウンド)、アウトプットセレクター、ミキサーユニットなどが配置されています。信号の入出力が右側に集まっています。
そしてラックの左側には、ペダルエフェクターやエフェクターのon/offをコントロールする機能が集められています。

fx s-r unit.JPGこのユニットは一台あたりに6ループ用意されていて、エフェクターを6つまで接続する事ができます。今回は2台製作しましたので、シリーズ(直列)で12ループあります。それぞれのループには、リターンレベルを調整するボリュームと、PMS-16U(MIDIで信号のon/offを行うコントローラー)でコントロールするか、直接ON、もしくはOFFするマニュアルスイッチを用意しました。ワウやワーミーなどは、音量調整したい場合が多々あります。また、フェイザーやコーラスも機種によって、またフレーズによって音量調整をしたい場合があります。リターンレベル調整は、かなり有効な機能だと思います。
また、直接ループをON/OFFすることが出来る為、リハーサル時に簡単にチェックする事ができますし、万が一のトラブル時にもマニュアルで対応する事ができます。

pedal drawer.JPG今回、使用したペダルドローワーはイギリスから取り寄せました。ほとんどのエフェクターは、この引き出しを使用すると2Uで収まります。また、引き出しの裏側がフラットになっていますので、ケーブルを引き回すのに非常に都合の良い製品です。
一番下に配置されているのは、10系統の電源ユニットです。EVENTIDE/Time FactorやProvidence/PEC-04の電源もこのユニットから電源を供給します。

drawer1.JPG一番上のペダルドローワーに乗っているのは、Kelley/Compressor、Providence/SONIC DRIVE(PFX-2)、Providence/SONIC DRIVE(SDR-5)、AMT ELECTRONICS/E1の4つです。





drawer2.JPG2番目のペダルドローワーに乗っているのは、KLON/CENTAUR、MAXON/ROD、EVENTIDE/TIME FACTORです。少し見えにくいですが、TIME FACTORはMIDIケーブルが接続されていて、MIDI制御されています。ツイッターでも少しコメントしたのですが、MAXONのRODは最近のエフェクターとしては珍しく、インプットジャックがエフェクターの左側にあり、アウトプットが右側にあります。誤挿し注意です。

drawer3.JPG3番目のペダルドローワーに乗っているのは、BOSS/GE-10、BOSS/FLANGER、FULLTONE/Ultimate Octave、weed/FREEZERです。BOSSのGE-10はweedによってモディファイされています。


drawer4.JPG4番目のペダルドローワーに乗っているのは、Hughes & Kettner/Tube Rotosphere、BOSS/Tremolo、Retro-Sonic/PHASER、Providence/PEC-04です。Hughes & Kettner/Tube Rotosphereは電圧を昇圧するための電源トランスが向かって右側に配置されており、サイドパネルが樹脂タイプであるため、ケースの右側そばに信号ラインのケーブルを通すと誘導によるハムノイズが乗りますので要注意です。

solderless plug pro.JPGPEC-04に接続されている、金色のプラグをご覧ください。省スペースで確実なコンタクトを実現するために開発したソルダーレスプラグを使用しました。フリーザトーンのオリジナルプラグです。かなりの力で引っ張っても、ケーブルはプラグから抜けません。高信頼性を保っています。


amp gizmo.JPGアンプラック内のBOGNER/EXTACYヘッドのチャンネルを切り替える為のMini Amp Gizmoです。当初はアンプラックの裏に配置していましたが、使いにくかったため場所を変更し、メインラックのこの場所へ移動しました。



input and sos.JPGメインラックのインプット部とS.O.S(サウンド・オン・サウンド)、アウトプットセレクター部です。SUREのワイヤレスレシーバーからインプットセレクターに信号が送られ、メインラック左側のペダルエフェクターのセクションに信号が送られます。ペダルエフェクターのセクションから、S.O.S(サウンド・オン・サウンド)ユニットに信号が送られ、アウトプットセレクターで信号の送り先を決めます。アウトプットセレクターからは、BOGNER/EXTACY、÷13/FTR37、スペア用アンプに信号が送られます。

S.O.S(サウンド・オン・サウンド)ユニットは、ROLAND/SDE2500と共に使用し、ディレイ音に、モジュレーションをかけたり、ホールドしたりする事で、効果音を作り出す事ができます。また、効果音に対して原音をミックスする事ができますので、効果音をホールドし鳴らしながら、その音に足してプレイする事ができます。
mixer unit.JPG2Uサイズの2台のミキサーユニット。上側は、BOGNER用のミキサーユニットです。アウトプットセレクターから送られた信号はアンプのプリ部に入り、センドからこのミキサーユニットに入ります。入力信号は、ミキサーユニットの上にマウントされているt.c.electronic/G-Forceに送られ、その出力はミキサーユニットに戻ります。センド(送り)側でも、リターン(帰り)側でも信号のON/OFFが選択できます。ディレイ音を残したい場合は、センドで信号を切り、ディレイ音を残したくない場合は、リターン側で信号を切ります。ドライ(原音)もON/OFF出来ます。また、出力はマスターボリュームやブースト機能が付いています。アンプによって適切な入力レベルが有りますので、どのようなアンプにでも対応する事ができます。
peak meter.jpg下側のユニットは÷13用ミキサーユニットです。2チャンネル分のミキサー回路が入っています。÷13は入力回路が2系統ありますので、それに対応するためです。LEADチャンネルでソロをプレイし、そのディレイ音を残しながら、クリーンチャンネルでアルペジオを弾くと言う事も可能です。
ミキサーユニットの出力には、それぞれピークメーターユニットが装備されています。確実に出力のモニターが出来るようになっています。

pms.JPG上から3番目のユニットがPMS-16Uです。ON/OFFの組み合わせを記憶し、MIDIペダルから操作できるユニットです。このユニットを使用することで、完全にアナログ部とデジタル部の分離が可能となります。(デジタルエフェクター自体はそのまま使用します)カスタムで製作したユニット内にデジタル信号やMIDI制御信号は混在していません。そのため、ギターのトーンが明瞭になり美しい音色を作り出します。

main rack rear.JPGメインラックの裏側です。ケーブル自体、それなりの重量があります。そのため、かならずプラグやジャックに負担がかからないように、サポート(保持)バーを使用しています。奥行きのあるラックユニットを守る為に、サポートアングルも使用しています。輸送時にラックのリアパネル側が揺すられないため、ユニットの故障や配線の接触不良等を防止します。また、配線の確認や変更がし易いように、手が入れやすい配線を心掛けています。

rear1.JPGメインラック右側の裏側です。電源ラインが左側を通り、信号ラインが右側を通るようになっています。








rear2.JPGメインラック左側の裏側です。ペダルドローワーが4つもあるので、この部分の配線が一番苦労しました。ドローワーを引き出す際に、ケーブル同士が当たらないように工夫しなければなりません。ケーブルの長さを決めてからプラグを半田付けしていくため、非常に時間がかかる作業となります。



amp rack.JPGこちらはアンプラックです。上がBogner/Extacy、下が÷13/FTR37です。








amp rack rear.JPGアンプラックの裏側はこのようになっています。非常にシンプルです。










amp rack junction box.JPG写真のシグナルジャンクションボックスを使用して、メインラックと接続を行っています。









pedals.JPGShinjiさんの立ち位置に置かれたペダル類で、右からRocktron/ALL ACCESS、Wah Pedal、Whammyです。Wah Pedal、Whammyの信号ラインは、出力側にアイソレーション・トランスが入っている為、長くステージを引き回してもノイズが乗りにくい回路になっています。



junction box.JPG足元のペダル類はこのジャンクションボックスを通して接続されます。


今回のShinjiさんのシステムは、これまでFree The Toneが培ってきた技術のノウハウを集結し製作いたしました。Shinjiさん、半年以上待っていただいてありがとうございました!Shinjiさんの奏でるギタートーンの一助になればと思います。これから始まるツアーが楽しみです。

Shinjiさんご自身のブログにも、今回製作したシステムが紹介されていますので、そちらも是非ご覧ください。アドレスは、こちらです。


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Yuu

初めまして。いつもブログ見させて頂いてます。
私は林さんのような、機材を扱う仕事に就きたいと考えているのですが、どうすれば良いか困っています。やはり電子回路のようなことがわからないとなれないのでしょうか。ご返答お待ちしています。
by Yuu (2012-05-29 20:25) 

Studio-Oz

こんばんは

どうもご無沙汰しております。
S工大のMF部の一つ後輩のOzです。
覚えておいででしょうか?
確か、Mr.Bigの武道館Liveご一緒させていただきました。

林さんのご活躍影ながら応援させて頂きます。
宜しくお願いいたします。
by Studio-Oz (2012-06-01 21:23) 

林 幸宏

Studio-Ozさんへ

おお、なんと懐かしい!ご無沙汰!
音楽やってるんだね。こちらこそ応援させてください!
何かあったら遠慮なくメールください。
こちらこそ、よろしくですw

by 林 幸宏 (2012-06-02 00:05) 

林 幸宏

Yuuさんへ

はじめまして。私も最初は、どうすれば良いのか分からない状態でした。とにかく楽器が好きだったので、買ってはバラしてみたり改造してみたり、自分で作ってみたり。とにかく自分でトライしていました。大学が機械工学科でしたので、電気や電子の専門ではありません。ただ、電気や電子工学科の教授を捕まえて直接教えてもらったり、本を貸してもらったりしていました。
学生の間に楽器関連の会社でアルバイトをして、それからこの道に入って行きました。具体的な設計の仕事は会社に入ってからです。まずは、目的をしっかり持って、希望する会社にチャレンジする事が大切だと思います。がんばってください!
by 林 幸宏 (2012-06-02 00:13) 

Yuu

ありがとうございます!
希望が持てました。今できることをしながら、機材関係の仕事に就けるようにがんばります。
by Yuu (2012-06-02 01:22) 

Studio-Oz

こんにちは!

覚えていて貰えましたか!
何とも嬉しいですね~

ここ10年くらい宅録をしています。
なかなかスケジュールが合わなくってBandは続かないんです。。。

今度、Micを新調しようと思っているのですが・・・
その際、キャノンケーブルについてご相談させて頂きたいなぁと思っております。
又、僕のブログで林さんの事紹介させて頂いてもいいでしょうか?
by Studio-Oz (2012-06-15 17:08) 

林 幸宏

Studio-Oz さんへ

そりゃ、忘れないよ! w 年に1度くらいだけどMFの同期や先輩達とも飲んでいるよ。

機材の相談は遠慮なく連絡ください。

もちろんブログへの紹介OKです。私でよければ喜んで!
by 林 幸宏 (2012-06-24 10:58) 

まちょりき


すみません。
しんぢさんはオーバードライブがいくつかあるようですが、どのような使い分けをしているのでしょうか?

あと、空間系エフェクターなどはアンプの歪みを使う場合入出力レベルの関係でコンパクトは使ってはだめだと聞いたことがあるのですがどうなのでしょう?

by まちょりき (2013-01-28 10:21) 

あやあや

Bogner/Extacyと÷13/FTR37はどのように使い分けているのでしょうか?
クリーン、クランチ、リード音色はそれぞれどちらで作っているのでしょうか?
by あやあや (2013-01-29 01:56) 

まちょりき

すみません。
ELECTRONICS/E1についてもどういう曲でどのように使われているか教えて頂けると幸いです。
by まちょりき (2013-02-04 20:35) 

へなちょこ

ペダルドローワーはどこのブランドですか?欲しいんですが…。というかFree The Toneさんから販売して下さい!
by へなちょこ (2013-09-13 13:47) 

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