ポルノグラフィティ 国立代々木競技場 第一体育館公演 [音楽]
先週、ポルノグラフィティのライブが国立代々木競技場 第一体育館（長い！）でありました。22日、23日の二日間行って来ました。前回は、大阪城ホールでしたから久々に皆さんに会う感じがします。この日（22日）は、ポルノグラフィティのプロデューサーの本間さんにカスタムミキサーの試作機を試していただく日でした。昨年の9月に注文していただいたのに、なかなかまとまった時間がとれず製作が遅れ、本間さんには本当に申し訳ない思いでいっぱいでした。ようやく満足のいく、試作機が出来上がったので現場で試していただく段取りとなったのです。
試作機は合計4チャンネルのステレオミキサーなのですが、2チャンネルずつ、音質が異なる回路を組み込みました。1,2chは、なるべく素直でフラットな感じのサウンド。3,4chはキーボードやエレピなど楽器を入力してサウンド作りの一部となるようなハリを持たせたサウンド。どちらが本間さんの目的に適しているのか、非常に興味深いところです。
楽器チェックの時間にスタッフの方の助けも借りながら試作機に立ち上げたサウンドと、現在使用しているミキサーとのサウンドで比較を行いました。しかし！本間さんもモニター担当の方もローディーの方も、自分専用のイヤモニを使っているので、私は音が聞けないのです！この現場で使用しているイヤモニ（イヤーモニター：インナータイプのヘッドホン）は、使用する人の耳にあわせて型を取っていて、他人には合わないため、ちょっと貸して聞かせて・・・みたいなことが出来ないのです。他のヘッドホンも近くには無かったので、結局自分で聞くことが出来ませんでしたが、「音の出方が全然違う、すばらしい！」とOKを頂きました。時間をかけて視聴を繰り返し回路を検討しチューニングをした甲斐がありました。また、本間さんは何度かチャンネルによるサウンドの違いを聞き比べし、最終的に3,4ch側のサウンドを選択しました。さ、これからが大変です。本間さんの仕様は、20chステレオミキサー！仕様の再確認をして打ち合わせが終了しました。本番前というのに時間を取っていただき、本当に感謝！です。
次は、ポルノグラフィティの新藤さんと岡野さんの機材チェックです。チェックといっても機材の変更があるかどうかの確認と、ツアー中、異常がなかったかどうかの確認です。新藤さんの機材を見ていたら見つけました。うれしいことにProvidenceのVELVET COMPが接続されているではありませんか！グレッチや335のような箱物のギター用に使用しているとのこと。他のコンプだとハウリングしやすくなるのにVELVET COMPだと大丈夫なのだそうです。初めての情報だったのですぐメモを取りました。きっとリリース時のレベル減衰が他のコンプと異なるためだと想像しています。次はボーカルの岡野さんの機材チェック。岡野さんにはProvidenceプロデュースのDeceiveギターを使っていただいているので、スタッフの方にギターの調子も確認しました。かなり気に入っていただいて、岡野さんがギターを弾くときは、数曲を除きほとんどこのギターを使用しています。またフリーザトーンカスタムのFINAL BOOSTERも岡野さんに使っていただいています。
今回、ポルノグラフィティのサポートをされているベースの根岸さんのペダルボードです。大阪城ホールで見たときと、少しエフェクターの内容が変わっていました。誤って踏んでしまわないように、このツアーで使用しないスイッチには、キャップがかぶせてあります。根岸さんのペダルボードの特徴は、5つのループに接続されたエフェクターの組み合わせが5通りプログラムできること、レベル調整が付いたインプットが2系統あり、それをセレクトできるところです。ベースは、ベース本体ごとの出力レベルがかなり異なるため、レベルを合わせてあげる必要があります。ベースが変わったときに、PA側でその都度レベル調整するのは大変ですし、エフェクトのかかりも変わってしまいます。
それから、このペダルボードには、フリーザトーンカスタムのBASS BLASTERも内臓されています。BASS BLASTERはTUBEの角野さんからの依頼を元に、一緒に作り上げていったベース専用のオーバードライブです。根岸さんはBASS BLASTERを非常に高く評価していただいていて、常時使用するということでペダルボードの中に組み込みました。組み込んだ方がより性能も信頼性も上がります。
ほぼ定刻通り19時位に始まったライブは約3時間。非常に充実したライブでした。ポルノグラフィティの二人の会話が凄く好きなので、ライブはいつも楽しみにしています。ファンの方はよくご存知だと思いますが、二人の高校生時代の話がいつも面白いんですよね。お二人は広島の因島出身です。私の学生時代のバンド仲間にも二人因島出身がいました。
あと、いつもポルノグラフィティのライブを見て思うのですが、ファンの方の表情がすごく幸せそうなんですよね。ファンの方の表情を見ているとこちらまで幸せな気分になってしまいます。
おっと、書き忘れるところでした。この日は収録もあったので、レコーディングエンジニアの山内さんもいらっしゃっていました。山内さんは多くの有名アーティストとお仕事されていて、布袋さんの最新アルバム「AMBIVALENT」にも参加されています。布袋さんが山内さんを紹介するページを見つけました。山内さんとお会いするとギターサウンドや楽器についての話に花が咲きます。山内さんがレコーディングしたポルノグラフィティの曲に「GIFT」があります。昨年末の紅白歌合戦でもこの曲が歌われました。私はこの曲が好きでミックスバランスもサウンドも最高だと思います。歌を生かしてギターサウンドも生かす。みたいなイメージです。機会があったら是非聞いてみてください。新藤さんの奏でるクリーントーンも最高です。
11月には東京ドームで公演があると最終日に発表があったようです。WEBでも発表されていました。今から楽しみです。
はじめまして。私も趣味でギターを弾いておりますが、新藤晴一さんのギターの音は“世界一”好きです。あの艶っぽく色っぽいサウンドは林さんの力によるところも大きいのでしょうね。
こちらの記事ではエフェクターのセッティングまで鮮明に見える写真が掲載されており大変参考になります。晴一さんと同じ機材を順次揃えていますが、なかなかあの音に迫れず…。そういった意味では音作りの勉強にもなる大変貴重な記事ですね。これからも企業秘密に迫るブログを期待しておりますのでよろしくお願いします！！
もし他にも参考になる写真などございましたらぜひぜひ見せていただきたいのですが、さすがにそれはマズイのですかね…？
by グァバのかおり (2010-04-21 11:43)
グァバのかおりさんへ
コメントありがとうございます。
時間がなくて返事が遅くなってしまい失礼いたしました。
新藤さんのシステムについては、ProvidenceのHOT NEWSで以前紹介をしました。アドレスはこちらです。
http://www.providence.jp/news/hotnews08_3.html
今年のツアーでは、システムがかなりシンプルになっていますがそれまでのツアーの基本的な機材はこちらのwebに載っています。参考にしてみてください。
これからもよろしくお願いいたします。
by 林 幸宏 (2010-07-11 22:27)
お忙しいところお返事ありがとうございました！
Providence HOT NEWSももちろんチェック済ですよ！あの記事を読んでProvidence SOV-2を購入しましたので・・・
ですが、こちらのブログに載せていただいた写真はエフェクターの設定まで見えて大変参考になります！欲を言えば左に見えるVoodoo Vibeの設定も見たかった・・・(笑)
今年のツアーも参戦しました！システム、がらっと変わっていましたね。こちらも機会があればぜひぜひ取り上げてください！（最近、雑誌などでもなかなか取り上げられなくなってしまったので・・・）
実は今週末、ポルノグラフィティのコピーバンドとしてライブハウスに出演するのですが、理想的な音で弾けるよう頑張ります！
これからもよろしくお願いします。
by グァバのかおり (2010-07-15 11:09)
グァバのかおりさんへ
Providenceを使っていただいてありがとうございます。ブログの内容が参考になってうれしいです。Voodoo Vibeの写真はNEW SONIC DRIVEのブログに追加しておきますので、参考にしてみてください。
今年の新藤さんの機材はがらっと変わってPEC-2を使用したシンプルなセッティングです。今度、ProvidenceのHOT NEWSで取り上げることが出来れば掲載したいと思います。
ライブは楽しめましたでしょうか？是非続けて楽しんでください！
by 林 幸宏 (2010-07-21 22:15)