SSブログ

GIGS BOSON開発秘話(3) [楽器機材]

GIGS BOSON.JPG
今回は、GIGS BOSONについてお話いたします。

このオーバードライブの名前の由来について、よく聞かれます。2012年7月4日に、ヒッグス粒子という新たな粒子が発見されました。それは宇宙誕生の際に、質量を持たない素粒子に質量を持たせる要因となった粒子で、ビックバンや宇宙誕生の重要な一部を構成することとなった「神の粒子」と呼ばれているものです。仮説を唱えたピーター・ウェア・ヒッグスの名をとって、Higgs Boson(ヒッグス・ボーソン)と呼ばれています。 この粒子の発見ですべての仮説粒子が揃い、暗黒宇宙の解明の第一歩となると言われていることから、このエフェクタの出会い(発見)により、GIG(演奏)の世界の発展の新しい第一歩になる事を願って、GIGS BOSON(ギグス・ボーソン)と命名しました。
フリーザトーンは、これまでプロミュージシャンや業務用の仕事しかほとんどしてきませんでした。直接、多くの販売店を通じて、一般の方へお届けする製品は、このGIGS BOSONが第一弾なのです。かなり気持ちが入り込んだ製品です(笑)。

このオーバードライブの構想は、ポルノグラフィティの新藤さんから頂いたTwitter経由のメッセージが始まりです。新藤さんから頂いたオーバードライブのリクエストに応えるべくスタートしました。

いつもの方法で、新藤さんのギタートーンを聞きながら、想像しながら音を作って行くわけですが、途中で違うと思い始めました。世の中に、まだ無いトーンを探すには、既にある音をベースに音作りをしていたのでは、それを超える物は出来ないと気付きました。

そこから、全てを白紙に戻して何度も何度も回路を作り変え、求めるサウンドに近づけて行きました。今回求めていたのは、豊かな倍音と弾き心地の良さ。ギターを弾いていて楽しいと思える感覚です。私は、ギターが上手くありませんが、それでも楽しく弾けたら、もしくは少し上手くなったかも!って勘違い出来たら、凄く幸せなわけです。かといって、コンプレッションを強くし過ぎると平坦なサウンドになってしまい、ピッキングのニュアンスはどんどん失われていきます。結果的に、前回ご紹介したHTSサーキットが完成していなかったら、このサウンドは出す事ができませんでした。

実は、HTSサーキット無しのTrue-Bypass回路でも何度もトライしてみましたが、やはり駄目でした。弦を弾いた時の倍音成分のまとわりつきかた(変な表現ですが)が納得できないのです。

HTSサーキットを活用しながら、ギターのボリュームを下げた時、本体のゲインを下げた時、ゲインを上げた時、すべてのパターンを確認しながらトーン回路、GAIN回路、BOOST回路などを仕上げていきました。1台で、様々なサウンドパターンを得る事が出来ると思います。

また、ストラトのリアでプレイした際、出がちな耳に痛いサウンドもなるべく出ないようにバランスを取りました。

今回、新しい機能として付けたのが、「INPUT Z」切替スイッチです。入力インピーダンスを切り替えます。ボタンを押していない状態が1MΩ。押した状態が100kΩです。ギターから直接接続する際は、1MΩがお薦めですが、ワイヤレスユニットや他のエフェクターを通過した後、接続する場合は、ボタンを押し100kΩ側も試してみてください。高音域のぎらぎら感が少し抑えられます。また、若干ですがS/Nも良くなると思います。

設計時に使用したアンプは、FenderのDeuxe ReverbとRoland JC120です。JC120を使用する際は、LOW INPUTへの接続をお薦めいたします。

既に布袋寅泰さんやSUGIZOさんに高い評価を頂き、実際に使って頂いています。お二方が使用しているのは、試作品や特別に手を加えた物ではなく、岩手/花巻の工場で製作した物です。一般の方が販売店にて購入できる物と全く同じ物ですので、是非実際のサウンドを試していただけたらと思います。
nice!(1)  コメント(5) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 5

ひぐ

新藤さんのツイートを見て、このペダルが気になって調べていたところ、こちらに辿り着きました。
新藤さんのプレイをイメージして作られたものだったとは!


先日楽器屋でこのペダルを試奏させていただいたのですが、非常に表現力に富んだサウンドが作れると感じました。


しかし憧れの新藤さん愛用だということで、また試してみたくなりました。


因みに、ポルノグラフィティーではなく、ポルノグラフィティが正しいです(^_^;)


by ひぐ (2012-12-23 04:13) 

林 幸宏

ひぐさんへ

コメント&ご指摘ありがとうございます!「ー」は要らなかったですね(苦笑)
ぜひ、GIGS BOSON、試してみてください。
by 林 幸宏 (2012-12-23 17:06) 

HIRO

買いました〜!楽器店のエフェクトフロアでたくさん試奏し、
最後にこれを試したとたん「お!音が早い」と感じました。
明らかに他のとは全然違います。上手く言葉にできないですが...
Two-rockやブルード好きな人間にはピンと来るはず。
そんな感触でした。良い物を開発してくださって感謝です!
自分のアンプを持ち込めない様な仕事の時はこれで行きます。
by HIRO (2012-12-25 15:08) 

HIRO

買いました〜!
たくさんのペダルを試奏してて、最後にこれを試した瞬間、
「音が早い!なのに太い。絶対これだ」とピンと来ました。
明らかに他の物とはクオリティーが違いました。
Two-Rock、ブルードなどの音色が好きな人なら
気に入るサウンドだと感じます。
アンプが持ち込めない仕事の時などに多様します。

GIGS BOSONを手に入れたおかげで
SOV-2にも興味が出て来ましたよ。
GBと比べてどのような違いなのか。
近くに現物を置いてる店が無いのでまだチェック出来てません。

それではまた覗きに来ますね!
by HIRO (2012-12-27 10:27) 

林 幸宏

HIROさんへ

メッセージありがとうございます。

GIGS BOSONから何かを感じとっていただけたんですね。ありがとうございます。幅広いセッティングができるように調整してありますので、仕事でお使いいただけると思います。是非末永くご愛用ください!
今後ともよろしくお願いいたします。


by 林 幸宏 (2012-12-29 00:49) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。