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楽器の位相問題について(2) [技術]

音を作っていく上で重要な「位相」について書いていきます。多くの方が「位相」という言葉を知っていると思いますが、具体的にピンとくる方は少ないのではないでしょうか?既に知識をお持ちの方には物足りない内容だと思いますがおつきあいください。

音を作る上で、具体的に必要と思われる「位相」についての知識は、「正相」と「逆相」です。
例を挙げて説明します。あまり専門的な言葉を使うと分かりにくくなると思いますので、あえて使わないようにします。
スピーカーが目の前にあるとします。音が出ているスピーカーは前後に振動して空気を振るわせています。スピーカーが動き出す瞬間、スピーカーが自分に向かって(前へ)動き出す時、位相が「正相」と呼ぶ事にします。逆にスピーカーが自分の方向と逆に向かって(後ろへ)動き出す場合、これを位相が「逆相」と呼ぶ事にします。
「正相」と「逆相」に動くスピーカーを用意し、全く同じ音を同じ音量で鳴らした時、どのような事が起こるでしょうか?「正相」と「逆相」スピーカーの特性が全く同じとすると(そのような事は実際ありませんが、、、)音が聞こえなくなります。「正相」の音と「逆相」の音が打ち消し合うからです。数字の「1」と「−1」を足すと「0」になるのと同じです。
皆さんがご存知のノイズキャンセリングヘッドホンも同じ原理です。消したいノイズに対して「逆相」のノイズを加えて打ち消すようにすると聴こえていたノイズが少なくなっていきます。

「正相」と「逆相」スピーカーの音が消えないようにするにはどうすれば良いでしょうか?一番シンプルな解決方法はスピーカーに接続されている配線を入れ替える方法です。スピーカーには「+」と「-」の端子が用意されています。ここに接続されている配線を入れ替えるのです。すると、「逆相」で鳴っていたスピーカーが「正相」で鳴るようになります。当然の事ですが、両方のスピーカーが「正相」で鳴った場合は1台のスピーカーで鳴らしている音量より、さらに音量が上がって聞こえるようになります。

ギターやベースアンプを同時に2台鳴らした時、音量が上がる事を予想する訳ですが、中低域の音量が思ったほど上がらない場合があります。また両方のアンプを並べて両方の音を聞いてみると、合わさった音が気持ち悪い事があります。(気持ち悪いという言い方以外に適切な言い方があれば良いのですが、、、ボキャブラリーが少なくてすいません)この場合、1台のアンプに対して、もう1台のアンプが逆相でになっている事がほとんどです。アンプがマルチチャンネルアンプ(2つ以上の音色を切り替えて使用できるアンプ)でない場合、スピーカーの「+」と「-」の端子の配線を入れ替えるのが一番早い解決方法です。
スピーカーを2発以上使用している場合は、キャビネットのインプットジャックで「+」と「-」を入れ替えたり、スピーカーケーブルのプラグに接続された配線を入れ変えるのが簡単な方法です。
マッチレスのDC30コンボアンプにはスピーカーの位相を変えるスイッチがリアパネルについています。良く考えられたプロフェッショナルな仕様です。

その他、アンプに入力する手前で位相を変える解決方法もあります。具体的には、オペアンプなどを使用した逆相回路を使用する方法と信号用トランスを使用して位相を変える(反転する)方法があります。

つづく





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miyabi

これは!!
分かりました。
とふと思ったのですが。
バンド(固定メンバー)の場合は、ある程度音の作り具合は固まっていて、会場での音のなり具合を調整だと思うのですが。
サポメンさんの場合ってそういうバランスも含めて音を作らなくちゃいけないから大変ですよね…。
(上手く表現できずすみません…。)
by miyabi (2011-09-03 12:27) 

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